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登録コーチインタビュー
プロフェッショナルコーチ/日本家庭教育学会会員/登録コーチ
伊藤那美
−−伊藤さんは2000年に認定コーチの資格を取って、2001年からはCoach21でクラスリーダーとしても活躍されていたわけですが、そもそもコーチングを学習し始めよう、と思ったきっかけは何ですか?
■伊藤那美コーチ「そうですね、実は、その前からいくらかコーチングに関して目にしたことがあって、何か胡散臭いなって思っていたのです、実は(笑。でも気になっていたの。
確か、図書館で読んでいた日経ウーマンだったと思いますが、妊娠中かな? 第2子が生まれるか生まれないかの頃に、それにまた出ていて、そのときは何だかとっても気になったんですよ。すぐに電話番号を控え、家に帰るなり電話して。思い立つとすぐ行動の人ですから、私(笑。
−−何かアンテナにひっかかるものがあったのでしょうかね?
■伊藤那美コーチ「どうして気になったかと言うと、妊娠が理由でコンサルタントを辞めてから、仕事をするとしても、コンサルタントという受け皿ではなかなか難しいと思っていたのです。当時住んでいたところが都心から少し離れていたので、どこかにお勤めした場合、子供2人抱えて通勤して、というのは無理でしょう。では、どういうことを今度は自分でやるのか、と模索していた処だったからです。コンサルタントの仕事は楽しかったけれども、あのライフスタイルは取れない。だからといって、自分で起業してコンサルタントをやりたいとは思わない。じゃあどうしようかなって。
私は、もともと、精神的なことを伝えていきたいと思うことがあり、それをどうやったら仕事という形で出来るのか、こんなことがやりたいなっていうことをずっと考えていたのです。長男を育てている時から考えていて、第2子妊娠中にコーチングと出会って・・・。図書館で出会った時に、あ、結局、精神的なことをコーチングでは伝えているじゃない、しかも引き出していく、とピンと来た。
コーチングの大切な考え方、答えは相手の中にある、人には無限の可能性がある、これはもともと私の口癖だったのです。「答えは自分の中にあるのよ、あなたの中にあるのだから、外側に求めるのではなく自分自身に問いかけてみて」というようなことをお友達に話したり、大丈夫だよ、私達にはまだまだ可能性いっぱいあるんだから、というようなことを言ったりしていたそのフレーズが、そのまま雑誌に出ていたんです。
「なんだ、ここにこうやって私がいつも言っているのがあるじゃない」と思い、「これをやらない手はないじゃない、まずは、この資格をとってそこから始めよう」と思ったのです。」
−−きっと、もともとネイティブ・コーチだったのでしょうかね?
■伊藤那美コーチ「だからその時は、コーチという職業に就きたいと強く思って勉強を始めた訳ではなかったのです。
そしてコーチングの勉強を始め、勉強しながらすぐコーチングのクライアントを持って仕事として始めたのです。個人で2000年から始めて、コーチトゥエンティワンのリーダー(現クラスコーチ)をやっていました。仕事は研修やパーソナルコーチングを中心に。その後、離婚し、ありがたいことにこの仕事で子供たちを食べさせています。」
−−コーチングというお仕事で、2人の子供を育ててきたっていうのはすごいですね。
■伊藤那美コーチ「自分では気づいてなくて、たまに言われるの(笑。コーチとして成功しているね、って。そうなのよねぇって(笑。考えてみるとこれで食べているんだぁって。そうなの。子供を2人も養っていますからね。そう思うとね、すごいみたい(笑。実は、生活レベルが低いだけかも知れませんが(笑。」
−−いえいえ(笑。今後、コーチとしてやりたいことはありますか?
■伊藤那美コーチ「コーチングってそもそも自分と向き合う時間じゃないですか?
自分と向き合う時間を作り、目標を達成する為に、経営者の方は何十万っていうお金を支払っていますでしょ。「自分で自分と今日は向き合うぞ」って。瞑想でも、方法は何でもいいのですけれど、えいっ!てやらないと、そういうことをする時間って、なかなか忙しくて作れないじゃないですか。その為には、やはりコーチとお約束っていう仕組みがあるというのは、すごく便利だと思いますよ。
私はやっぱり、男の人を前にして悪いのですけれど、女性と子供達がイキイキとする世の中を作りたいんです。子供達がイキイキとしていないと世の中終わっちゃうと思うし、お母さんが元気じゃないと、当然子供も元気じゃないし、結果的に男の子も大人の男になるので、そこに皆繋がるじゃないですか。そういう世の中作りのためにこの仕事しているようなところがあって、それは別にこのコーチという名前の仕事ではなくても構わないんです。
最初に専業主婦になった時に、ライフワークとしてでもいいからそういうことが出来たらいいなって思っていました。それは、誰かに食べさせてもらいながら専業主婦でありながら、カウンセラーとしてやっていくのかしら、何なのかしら、と思っていたわけですよね、当時は。
そこの、ベースにあるものは全く変わってないのですよ。どういう風に輝いていくか、もっと自分らしく生きられる為にはなど、自分に自信を持ち、誇りに思って大切にしてね、自分らしく生きられるって言うような人たちが増えたらいいのになって、そうしたら生きていくって楽しいじゃないって思えると思うんですね。それに対して何がしかの形で貢献したいと思っています。それが私のミッションだと信じていますし、そういう形で人に影響を与えていきたいって思っているんです。
そして基本は、家庭だと思っています。コミュニケーションって誰も教えてくれないでしょう。これはいけませんね。最初にコミュニケーションとる人って親じゃないですか。だから親とのコミュニケーションで、成功とは言いませんけれども、親が意識してコミュニケーションをとっていく、子供の気持ちを聴いてみたり、アイディアを聴いてみたり、出てきたアイディアを潰さないで、やるかやらないかは別として、まずは潰さないで尊重してあげるということをしていかないと、子供達は、自分の気持ちがこうなんだなって気づいたり、こんな考えを持っているんだって気づいたりするチャンスもなくなってしまいます。これが違うんだって気づくチャンスもなくなるし、もっと言えば、「言っていいんだ」って思えなくなるじゃないですか。言えば潰されるから、言うのを止めようって思いますでしょ。日々の生活の中で、きちんと、丁寧に関わっていったら、大人になったときに自己基盤がしっかりしていくように思うんですよね。
私はね、そもそも子供達って生まれたときは愛と光にあふれていると思うんですよ。でも、育っていく家庭や学校の中でいろんな価値観ですとか、制限とか、そういうのを沢山加えられて、刷り込みもありますよね、それで、段々、曇ってくる。
私達もかつては子供だったので、改めて想いを馳せればそうだなって思う処がありませんか? だから、その光を、輝かせたまま、ずっと大人になったらいいと思うので、私はそのために、子供達に直に、というよりは、やっぱり一番関わる親を通して、特にお母様方を通して、これを伝えたいと思っています。それで、あ、やっぱり自分なのねっていうことに気づいて、自分に余裕が出来たり豊かな気持ちになったりしてくれば、子供に対してもそういう風に接することが出来ますでしょ。それで子供達にひいては、インパクトを与えられたらいいなっていうのが私の想いです。
だから、今後もっと展開していきたいのは、お母様方向けなんですよね。お父様でもいいんですけれど・・・。子供たちに関わる人たちに向けて、ということです。
コーチングを学んでいくと、要は自分だ、っていうことに気づいちゃうんですよね。子供が悪いだの誰が悪いだのというのではない。でも、それは自分が悪いという訳ではない。ただ、自分が源なんだ。自分が変われば変わるんだっていうことに気づくんですよ。
そうするとやっぱり、自分の足で立って歩こうと思うじゃないですか。だから自分とコミュニケーションとるようになりますし、自分があの手この手とでも言いましょうか、コーチングを取り入れると、子供が変わってくる。
例えば話を聴いたら、子供がよく喋るようになるとか。母親にとってすごく嬉しいことですよね。そうやって、小さな成功体験を積んでいくから自信が出てくるんですよね。そして、どんどん輝いていって、今度は何かこんな仕事やりたくなっちゃったとかね。新たな道を見つけて、見つけるとすぐ行動を起こすようになるし、今までうじうじ考えていたような人が、自分でセルフコーチングをして整理をしていくんですよね。
そういう話を伺うと、楽しいですよ。色々ありますけれど、よかったねぇって話になるわけじゃないですか。半年前には考えられなかったねって。やっぱり子供達もこんな風に変わってきましたとかね。ママが変わるから変わるわけじゃないですか、それを聴くとよかったねぇって心から思いますね。
−−すばらしいことですよね。
■伊藤那美コーチ「ええ、とっても。だから、今後は、人数というか、機会を増やしたい。今、機会はそんなにないですから。やっぱりお母様方は自分の為にそんなにお金出せないんですよね。
だからそうすると、国なり、企業さんなり、何かが、バックアップしてくれないと、お母様方が学ぶ機会って少なくなるんですね。もっと、お母様方に広めていきたいと思って取り組んでいらっしゃるコーチの方が沢山いらっしゃいますけれど、ボランティアの方が多いでしょう。でも、ビジネスとしてやっていかれるような形を作っていかないといけないなっていうのは思っています。
具体的にじゃあ何をしていくかっていうと、やっぱり、教育面で関わっていきたいんですよね。子供の教育と言う意味では、今も教育っていうことには関わっているわけですけれど、もっと、大人の教育もさることながら、公教育―――まあこれは私学でも良いんですが、学校教育に入って何かやりたい、コミュニケーション伝えていきたい、って思っています。
ひとつ私が考えているのが、学校にスクールカウンセラーがいらっしゃいますよね。ああいう形で、スクールコーチでもいいましょうか。そんな形で置いてもらいたいなって。今のスクールカウンセラーも子供向け、親向けって分けてはいないようですね。ですから、どちらにも向けていいような形で置いて貰えるといいのになって。それが出来るような形でやれるのでしたら、いいな、と思います。
私、介護施設にも、いたらいいと思うんですよ、訪問コーチ。これは、私の介護体験からの発想です。友人ともやりたいねって言っているんです。」
−−最後に、コーチングバンクに登録していただいているわけですが、今後、期待するものがあればおっしゃっていただけると嬉しいのですが。
■伊藤那美コーチ「コーチの認知を高めたいですよね。まだまだご存じない方がいらっしゃいますから、世間の方々にコーチングってこんなことなんだなっていう漠然としたものでも良いので、何か知ってるよ、っていうことぐらいのレベルでかまわないから、認知度が広まることのサポートをしていただけると嬉しいなって思います。それから、コーチ向けのセミナーや広く一般向けのものとか、そういう機会を通してコーチングの認知が広まっていくような、形を作ってくれたら嬉しいなと思います。」
−−ありがとうございます。本日はありがとうございました。
(2007.5.16 , 5.22.収録 有楽町La Mer Riche にて 聞き手:aguni)