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戦って勝つことに何か意味がありますか？
　　「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。」

　　この言葉はおそらく、孫子の兵法で最も有名な言葉かと思います。

　　しかし、別に孫子は戦争を奨励していたわけではなく、

　　こういうことも言っています。

　　「百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。

　　　戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。」

　　つまりは戦って勝つよりも、

　　戦わないで勝つのが最も良い、ということです。

　　戦争は必ず地を荒らし、人心も荒廃してしまいます。

　　その後で得た勝利など、何の意味があるのか。

　　戦って勝つことに何か意味がありますか？

　　戦いで勝つ、負けるというのは、

　　いわば最後の手段ですが、しかしこれは逆に、

　　次の戦いを予感させる勝利です。

　　なぜなら、もしかしたら勝てるかも、

　　という可能性を拭い去れないからです。

　　どうせ戦っても無駄だから、戦うのはやめよう

　　そんな気にさせることで、戦いを回避することこそ、

　　本当の勝利への道と言えるのです。
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