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あなたの中での偽物と本物の基準は?
  何を以って本物と偽物と考えるのか、

  これは実は難しい問題です。

  昔の時代劇などでは、お金を確認するときに、

  歯で噛んで確かめてみる、なんてシーンもありました。

  フランスの思想家、ジャン・ボードリヤールは、

  現代の大量生産、大量消費の時代には、

  商品はもはや価値を持った物体というだけではなく、

  記号として生産され、消費される、と言いました。

  記号として成立するかどうか、というのは人の認識の問題なので、

  ますます、本物と偽物が区別しにくくなるわけです。

  そこで重要となってくるのは、人の価値観。

  あなたがどういう感覚なり、リアリティなり、

  あるいは、倫理観や審美眼を持っているかどうか、

  そこが問われています。

  あなたの中での偽物と本物の基準は?

  さらに時代が進み、デジタル化が進行すると、

  コピーとオリジナルの区別もつきにくくなってきます。

  本物と偽物を区別しない、というのもひとつの価値観ですが、

  そういう人はもしかしたら、

  自分自身も本物であるという確信が持てずに、

  最期の最期で、

  自分が本物の人生を生きていなかった、

  ということに気づいてしまうかもしれません。

  それはちょっと、怖いことだと思うのです。