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あなたは人が何のために働いていると思っていますか？
　　人は働きます。
　　それはこの世の中を支えるため。社会システムを維持するため。

　　基本的なことを考えれば、
　　世界的な分業体制というものが、人に職業というものを与えています。

　　この職業は昔、あるいは今でもある場所によっては、
　　選択の余地のないものでした。

　　人が自由に仕事を選べるようになったのは、
　　例えばカルヴァンが「天職」という言葉を唱えてから、
　　あるいは、封建時代の身分制度が政体の変化で崩壊してからです。
　　日本では明治以降のことですね。

　　さて、仕事選びが自由になってきますと、
　　今度は、人は自分なりのイメージや価値観で仕事を選んだり、
　　あるいは、妥協したりすることになります。

　　そしてさらに分業体制は進み、人は誰かの作ったシステムの中に、
　　自分の居場所を見つけ出そうとします。
　　それがいわゆる就職ですね。

　　そこでは人が人を助け合い、協力し合うことが求められるのですが、
　　なぜか現実的には競争が生じ、協力し合っているとはいえない状態に
　　なってしまっているのも、事実であるようです。

　　あなたは人が何のために働いていると思っていますか？

　　気をつけなければならないことは、
　　働くことについて、あなたが思っていることは、
　　あなただけの常識である、ということです。

　　その価値観を、誰かに押し付けてしまうことは、
　　誤解とディスコミュニケーションを生むだけです。

　　まずは、人は自分とは違う価値観で働いている。
　　それを理解することが、大事なことなのでしょう。
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