登録コーチインタビュー
メンターコーチ/登録コーチ
安海将広
−−安海さんとコーチングとの出会いについて教えてください。
■安海将広コーチ 「僕は学ぶことがとても好きで様々な研修を受けてきました。そして、いつかは自分も教える側になりたいと思っていました。とはいうものの、熱しやすく冷めやすい性格のため、研修で影響を受けても、長続きせず、すぐもとに戻ってしまう。この繰り返しでした。頭の中では「俺ってだめだな」と。しかし、他の人に聞いてみると「俺もそうだよ」という人が多いことが分かり、「俺はだめじゃない。1回きりの研修では人は変わらないんだ」と気づいたのです。ここが僕の楽天的なところです。(笑)
そこで、どうしたら人は本当に変わっていけるのか、成長していけるのか。きっとその方法があるはずだと、探し始めたのです。
探していくと、フォローが大事だということに気づきました。そして、フォローの方法として、「週1回、電話、30分」というコーチングが飛び込んで来たのです。「俺が探していたのはこれかも!」と思わず飛びつきました。それが僕とコーチングの出会いです。」
−−その後、これまで、コーチとしてどのような活動をされてきましたか?
■安海将広コーチ 「保険代理店を経営していたので、最初は自分の保険のお客様にクライアントになっていただくことがスタートでした。
加盟していた損害保険の業界団体の中で、教育委員会に所属し、幹部候補生研修にコーチング研修を導入してもらいました。その関係で、生命保険、損害保険の会社からコーチング研修の依頼が来るようになりました。
青年会議所では、会員向けにコーチング研修をさせてもらったことがきっかけで、各地の青年会議所から講師として呼ばれるようになりました。世田谷のミニFM局にも企画書を持ち込みラジオ番組を持ちました。「マーク安海のポジティブライフ」。その後、5人のコーチが日替わりでゲストを迎える番組をプロデュースしました。
ICF(国際コーチ連盟)のPCC(Professonal Certified Coach)の資格を取得してからは、毎年行われるカンファレンスに参加。2006年にMCC(Master Certified Coach)の資格を取得しました。
ICFのカンファレンスも昨年で4回目。毎年ボランティアをやっています。仕事は、会場の設営など。日本からも多くのコーチが参加しています。
今後はICFの活動を通して、世界のコーチとのネットワークを作りたいです。武士道の心意気が加味された、日本ならではのコーチングを発信し、日本のコーチングここにあり、というのを示していきたいです。」
−−なるほど。では、日本では具体的にどのような活動をされているのでしょうか?
安海将広コーチ「一方で、今、アヅミ式朝礼を広める活動をしています。これは、朝礼をメインにして組織を変えていく、というものです。
組織の中でコーチングを導入するには、時間とコストという大きな二つの壁があります。その壁をいかに打破するかが、企業風土を変えていくときに必要になり、きっかけになるのが、朝礼だと思ったのです。
アヅミ式朝礼とは、企業理念と個人の価値観を融合させ、生産性を最大化させる、継続可能で容易に導入できる仕組み、組織のコミュニケーションの活性化を実現する仕組みです。簡単に言えば、モチベーションの見える化と、自分の態度を自分で選ぶ、という2つの要素があります。
もともと僕が小学校のときからやっていたボーイスカウトでは、いつも朝礼を行っていました。ボーイスカウトにはバッジシステムがあり、アヅミ式朝礼でバッジを身につけるのは、そこからヒントを得たとも言えます。
これをやれば、日本を変えることができる、日本から世界に発信できる仕組みができる。「これだ」と思いました。」
−−この朝礼に目をつけられたきっかけというのはあるのですか?
安海将広コーチ「群馬県四万温泉の柏屋旅館に泊まったときのことです。ラウンジにいたら、居合わせたオーナーとお話しすることができました。
僕がコーチングや研修の話をすると、旅館の朝礼がマンネリ化しているとのこと。既に、企業理念も、朝礼もある。しかし、モチベーションがあがらない。
そこで、2007年11月に最初の研修をし、それから朝礼を導入してもらったのですが、ご存知のように、旅館業界はここ数年、厳しい状況です。この厳しい経済情勢の中でも、従業員のモチベーションを上げることで、この旅館では、対前年比100をクリアし続けているのです。
旅館から始まって、今では、パチンコ、建設会社、携帯電話販売会社、税理士事務所、レストラングループにも広がりました。
今後は、この朝礼を使った組織風土改革を推進を考えています。実は、会社で朝礼を行う、という習慣を持っているのは、僕が知っている限り、日本の会社だけです。将来的には、ICFで朝礼についての分科会を持ちたい、日本を飛び出してコーチングを行うのが夢です。」
−−今後、コーチとしてやりたいことはどのようなことでしょうか?
■安海将広コーチ 「組織に影響を与えるエグゼクティブコーチングと、優秀なコーチの育成のためのメンターコーチングに力を入れたいです。
特に、エグゼクティブコーチングは、企業のトップを変えると組織への影響も大きいので、関心があります。
企業のトップには、常に成長し続けていくという宿命があります。ですが、彼らが自分の決断・判断を下すためのパーソナルオペレーションシステムをブラッシュアップしていくのはとても難しいことです。
コーチングを受けるという謙虚さを持ち、違う視点を自分の中に入れるという重要性に早く気づいた人が、企業変革を推進していく真のリーダーとなりうるのです。
知的好奇心を刺激する創造的な会話、自分の潜在能力にアクセスするための上質な会話。質の高いコーチとの創造的な会話がもたらすものは、あなたが考えている以上のものがあります。
僕は経営者の皆さんが、よりよいパーソナルオペレーションシステムを持つために、コーチングが機能することを確信しています。ですから、このインタビュー記事をご覧になっている経営者の皆さん、是非、コーチをつけてください。」
−−コーチングバンクに期待することがあれば、教えてください。
■安海将広コーチ 「コーチという職業を認知させるための活動に期待しています。コーチングの社会的意義を広めていく、コーチという職業に対する貢献をお願いします。そのために必要なのは仕掛けとタイミングだと思いますので、機会をたくさん作ってください。」
−−責任重大ですね。ありがとうございました。(2009.1.21.収録 STARBUCKS COFFEE ゲートシティ大崎店にて 聞き手:aguni)