トップ >
登録コーチインタビュー > 最上輝未子コーチ
登録コーチインタビュー
ヘルスコーチ・ジャパン 代表理事/薬剤師/登録コーチ
最上輝未子
国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ
生涯学習開発財団認定マスターコーチ
医療経営・管理学修士(専門職)
薬剤師
1960年福岡県生まれ。九州大学薬学部卒業後、薬剤師として、救急総合病院や、調剤薬局で薬剤師として働くが、本当にこれが自分のしたいことなのか疑問を感じ退職。それから約20年間は、結婚・3人の子どもの出産育児・夫のビジネスの手伝いをして過ごす。この20年間は、迷いと焦燥感に満ちたストレスフルな20年だった。40歳を目前にしたある日、コーチングに出会いもう一度人生をやりなおしたくてコーチングの勉強をスタート。2001年プロコーチとして開業、現在に至る。
コーチングでは、自分の体験から、子育て中の母親支援と本当にしたいこと探し(キャリアマネジメント)そして、ストレスコントロールを得意とする。薬剤師として医療現場に勤めた経験から、医療現場をコミュニケーションから変えたいという気持ちが強く、2005年から九州大学大学院医学系学府医療経営・管理学修士課程に入学し、医療コミュニケーションの研究を深めた。ここでは、経済産業省「サービス産業創出支援事業」であるカルナプロジェクトでコーチングを使った生活習慣病予防プログラムの開発に関わると同時に、医療コンフリクトマネジメント(メディエーション)やインフォームドコンセント、リスクマネジメントについての学びも深め、医療機関向けのプログラム作りに役立てている。
現在は、官公庁、医療機関、教育機関でコーチングをベースとしたコミュニケーション研修を行ないながら、20名〜30名の個人クライアントとの個人コーチングを行なっている。特に対人支援者の自己基盤の確立(ストレスコントロール)と支援技術向上プログラムは好評で、教育機関や医療機関からの研修依頼が多い。2008年からは、メタボリック予防とメンタルヘルス改善に特化した専門コーチを養成する「ヘルスコーチ・ジャパン」を立ち上げ、メンタルコーチ、ヘルスコーチの養成を行なっている。
−−最上さんとコーチングとの出会いについて教えてください。
■最上輝未子コーチ「もともと薬剤師でしたが、結婚後は子育てしながら夫の家業の手伝いを10年ほど続けていました。でも、40歳を目前としたある日、わたしの人生このままでいいのかしらと思いました。一生懸命勉強して、そこそこの大学を出て、充実した人生を送るはずだったのに、この空しさは何なんだろうと思いました。
そんなとき、タウン情報誌でコーチング説明会の記事を見つけました。
とにかく何か始めたくて軽い気持ちで行きました。
それがきっかけです。」
−−これまで、コーチとしてどのような活動をされてきましたか?
■最上輝未子コーチ「2000年2月にコーチトレーニングを始めたので、今年で9年目に入ります。これまでにコーチした人は、300名近くになるでしょうか?現在も、20〜30人の個人クライアントさんとの個人セッションをもちつつ、官公庁、大手企業、医療機関、教育機関などで、コーチングやコミュニケーションの研修を行なっています。最近は、医療機関の安全管理者を対象とした、ヒューマンエラーの防止トレーニングや、セルフコントロール研修も手がけています。
ネット上では、子育て中のお母さんを支援するバーチャルコミュニティー、子育てコーチングくらぶ”ダブルス”を持っています。子育てコーチングに興味を持っている全国のコーチと連携して、自分たちの体験談を伝えたり、情報交換をしたりしています。
わたしはもともと薬剤師で、総合病院や24時間救急病院で働いた体験を持っています。さらに、ここ数年は看護師さんたちの研修を数多くしてきており、医療機関が抱える様々な問題を、コミュニケーションの切り口から解決できるのではないかと思っていました。そこで、2006年から九州大学大学院医学系学府医療経営管理学修士課程に入り、医療コミュニケーションの研究をしました。
入学して最初にやったのは、医療の分野でコーチングがどのように認知されているのかを調べるための文献研究でした。78文献を調べ、内容と結果を分析し論文にまとめました。
その後、経済産業省「サービス産業創出支援事業」であるカルナプロジェクトに加えていただき、コーチングを使った生活習慣病予防プログラムの開発に関わりました。カルナはもともと、日本型疾病管理システムを作ろうというコンセプトで始まった産学協同プロジェクトです。糖尿病患者の疾病管理システムの実証実験を行なっていたところへ、今回の特定保健指導が始まることになったので、1次予防にも研究の間口を広げたというわけです。ここで聴いた患者さんとオペレーターとの100本に上る会話テープは、今後のプログラム作りにたいへん役立っています。
個人コーチングで扱うテーマは、人生設計が多いです。最初の入り口は、仕事の話や子育てのことであっても、結局は、自分の人生をどう生きていくのか、これからどこに向かっていくのかになります。そしてその結果として、起業したり転職したり、新しいことを始めたりと、クライアントさんの人生が大きく変わることをたくさん体験してきました。わたしの人生がコーチングで一変したように、クライアントさんが、活き活きと目標に向かって動き始めるお手伝いができることは本当に素晴らしいことです。」
−−今後、コーチとしてやりたいことはどのようなことでしょうか?
■最上輝未子コーチ「コーチングを学び始めてまず最初に起こったことは、自分を取り巻く環境は何一つ変わっていないのに、気持ちがとても楽になってエネルギーが高まったことでした。これは、物事に対して新しい捉え方をすることができるようになり、ストレスに感じることが減っていったからではないかと思います。
そして、自分自身を以前よりもうまく扱えるようになりました。自信がついて新しい目標も持つことができるようになりました。
また、人との関わりの中で起こっていることや、自分自身の心の動きがわかるようになったことで、他人との距離をうまく取れるようになったと思っています。このことも、わたしの目標達成を加速させています。
昔に比べて物事が進むスピードが速くなり、お互い密なコミュニケーションをとることが少なくなった現代では、わたしのように漠然としたモヤモヤ感を感じて自分に自信をなくしたり不安を感じている人が多いのではないかと思います。
そういう人にわかりやすくコミュニケーションの仕組みを伝え、思い通りの人生を引き寄せるために何をしたらいいのか、どういうふうに自分を取り扱っていけばうまくいくのかをその人と一緒に探していきたいと思います。
また、医療現場経験があることと、大学院で学んだことから、医療現場で働く人たちが、もっと活き活きと充実した仕事ができるよう、そして、彼らと関わる患者さんや患者家族が納得いく医療サービスが受けられるように、コミュニケーションという視点からお手伝いをしていきたいと思っています。
そのために、心と体の健康に特化したコーチングができる人材を育成する機関として、ヘルスコーチ・ジャパンを立ち上げました。ここでは、2つのコースを開講しています。結果を出す保健指導ができる人材を育成するヘルスコーチ養成コースと、自己コントロールができるようになるセルフケアトレーニングができ、尚且つ、相手がうまく自分をコントロールできるように支援できる人材を育成するメンタルコーチ養成コースの2つです。東京と福岡の2ヶ所からスタートし、いずれは全国に広げていきたいと考えています。」
−−最後に、コーチングバンクに登録していただいているわけですが、今後、期待するものがあればおっしゃっていただけると嬉しいのですが。
■最上輝未子コーチ「心と体の健康に焦点を絞ったコーチングを学びたいと思っている方がたとの接点を広げて、より多くの方々に喜んでいただけるようなきっかけを作っていただけたらいいなと思います。」
−−ご活躍を応援しています。本日はありがとうございました。
(2008.2.26収録 メールインタビューにて 聞き手:aguni)