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登録コーチインタビュー
オフィスSerendipity代表取締役
鱸 伸子 すずきのぶこ
−−鱸さんとコーチングとの出会いについて教えてください。
■鱸 伸子コーチ 「2000年6月に日本コーチ協会初代会長であり、現国際統合医療教育センター所長の柳澤厚生先生にコーチになれ、と言われたのがコーチングとの出会いでした。
私はそれまで、難病のベーチェット病により弱視となり、自分の生きている意味や価値すら見失い、自分探しの旅を10年以上続けていました。
視覚障害=鍼灸士の道をたどることに抵抗を感じていながら、この先何ができるのか分からず、そのようなときに、もし私がコーチングを本格的に学べば、患者経験を活かして医療分野へのコーチング普及活動もできるのでは、と声をかけて頂きました。
結果として、当時柳澤先生が教授をしていらした杏林大学保健学部救急救命士学科医療コミュニケーション学教室にてコーチングで博士論文の研究を8年しました。
今年は私にとっての10尽くしの年。
コーチングを柳澤先生から初めてお聞きしたのが10年前。
最後の入院からも10年経過。
そして共著含めて10冊目にあたる『保健指導が楽しくなる!医療コーチングレッスン』(鱸伸子/いとうびわ/柳澤厚生)を南山堂より10月に発刊しました。
この本は法研の『へるすあっぷ21』で柳澤先生と2007年4月から2010年3月まで連載していたのを単行本としてまとめたものです。
連載中3年にわたり読者アンケートNo.1と多くの保健指導者にご愛読頂いていました。
法研の書籍部門縮小に伴い、すべての原稿とイラストを南山堂に法研が提供下さり、実現しました。しかもかたい医学書を出版することが多い南山堂から四コマ漫画が表紙にという異例とも言える本です。
これは、ある意味、私にとっての集大成とも言える本なのです。」
−−これまで、コーチとしてどのような活動をされてきましたか?
■鱸 伸子コーチ 「医療者にコーチングを普及させるために、共著でこれまでに9冊の本を出版しました。そして、国公立病院や自治体の医療者向けの研修を実施しています。
その他に私のライフワークとして、患者や患者家族へもコミュニケーション力を高めて納得のいく医療やサービスを受けて欲しいと願いを込めて、患者向けに『患者術』を2006年に単著で出版しました。
また、杏林大学の救急救命士課程の学生にコーチング実習を実施し、学生のコミュニケーション力とチームワーク育成をどれだけ向上させることができるか、またコーチングは教育学的に有用かを立証させるための実証研究を博士論文の研究として実施しました。
学会発表や論文も執筆しています。具体的には、日本臨床救急医学会雑誌に「救急救命士の卒前教育におけるコーチングスキルの導入と成果」、「救急救命士課程学生のコミュニケーション技術向上のためのコーチング実習の情動指数(EQ)による評価」があります。」
−−鱸さんが、今後、コーチとしてやりたいことはどのようなことでしょうか?
■鱸 伸子コーチ 「「心身の健康」をキーワードとした活動を考えています。
引き続き医療者にコーチングをもっと普及させることと、患者や患者家族へも普及させること。
その他に、杏林の救急救命士へコーチング実習を6年した経験から、医療系学生へコーチング技術を伝授し、かつ、国家資格を取ることが彼らのゴールではなく資格を取ってどのような活躍をしたいかと夢がもっと膨らむようなコーチをすることが目標です。
また、帰国子女としての経験から、海外に赴任する駐在員やその家族へのメンタルサポートをしていきたいと思っています。」
−−コーチングバンクに期待することがあれば、教えてください。
■鱸 伸子コーチ 「さらなるパーソナルコーチの普及です。
自身のコミュニケーション力を高めるためにコーチング研修を受けようと思う方は以前と比べて多くなってきたように感じます。
ただ自身でコーチを雇おうと思う方は多いようでいてまだまだ少ない気がします。
誰でも当たり前のようにコーチを雇う世の中になったら最高と思っています。」
−−ご期待ありがとうございます。今日はお忙しいところ、本当にどうもありがとうございました。
(2010.10.25. メールインタビューにて 聞き手:aguni)